最高裁判所第三小法廷 昭和33(オ)938 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人等の負担とする。
理 由
上告代理人山根静人の上告理由第一点について。
原審は、所論抗弁について、この抗弁事実を否定する第一審判決理由3の(1)
乃至(5)を、原審の判断も同旨であるとして引用し、かつ上告人が原審において
提出した証人D及び控訴(上告)会社代表者E本人の各供述を第一審における原告
(被控訴人、被上告人)本人尋問の結果に対比するときはたやすく採用し得ないと
し、他に右第一審の事実認定を覆すに足る証拠がない旨判示して右抗弁を排斥して
居る。而して以上の判断は、これを是認し得るのであつて、原判決に所論の違法は
ない。
論旨は、これを採用し得ない。
同第二点及び第五点について。
上告人は第一審及び原審において、同じく所論の仮定抗弁を提出して居り、これ
について原審は、その判断と同旨であるとして、第一審判決理由を原判決に引用し
て居るのである。而して第一審判決理由には、右仮定抗弁について、本件延滞賃料
の催告は、その方法及び期間が所論の程度では同抗弁により主張せられる如く、法
律上不当のものであり、契約解除権の行使が権利濫用となるものであるとは未だい
えないものであるとして、右仮定抗弁を排斥する旨判示せられて居る。したがつて
原判決は、所論の仮定抗弁について判断して居るのであり、しかもその判断は正当
である。原判決に判断遺脱その他所論の違法はない。
論旨は、これを採用し得ない。
同第三点及び第六点について。
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原審は、第一審と同一の事実を認定したので、第一審判決理由を原判決に引用し
て居るのである。所論の原判示「右認定」とは、第一審の事実認定を指すものであ
ることは、原判文上極めて明白である。而して原審は、この事実認定に立脚して、
上告人提出の乙四号乃至六号証、七号証の一、二を以つては、上告人が原審におい
て新しく主張した所論転借の事実を認める資料とするに足らない旨判断したのであ
つて、その判断は是認し得られる。原判決に所論の違法はない。
論旨は、これを採用し得ない。
同第四点について。
第一審判決挙示の証拠による第一審の事実認定は、これを是認し得られる。原審
は、その判断を同じくするとして第一審判決を原判決に引用して居る。原判決に所
論の違法はない。
論旨は結局、原審の事実認定に対する単なる非難に帰着するのであつて、これを
採用し得ない。
上告代理人長谷川鎮雄の上告理由第一点について。
第一審判決挙示の証拠による第一審の所論事実認定は、これを是認し得られる。
原審は、その判断を同じくするとして第一審判決を引用して居る。原判決に所論の
違法はない。論旨は結局、原審の適法にした証拠の取捨判断、事実認定を非難する
に外ならない。
論旨は、これを採用し得ない。
同第二点について。
建物譲渡の承認を内容とする上告会社取締役会決議録(乙一号証)に、被上告人
名義の記名捺印のあることは、所論の通りである。しかしこのことを以つて、被上
告人が右建物敷地の賃借権の譲渡を承諾したものと認むべきものとすべきでないこ
とは、第一審判決に詳細判示せられて居る所であり、この判断は、これを是認し得
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られる。原審も亦これとその判断を同じくするとして第一審判決を原判決に引用し
て居る。論旨はすべて結局、原審の適法にした事実認定を攻撃するか或は独自の見
解に立つて原審の判断を非難するに帰する。
論旨は、これを採用し得ない。
同第三点について。
第一審は、その確定の事実関係の下においては、所論催告を以つて、本件賃貸借
解除の前提たる効力を有しないと解すべきものでないと判断して居り、原審も亦こ
れとその判断を同じくするとして原判決に第一審判決を引用して居る。第一審の判
断は正当であつて、必ずしもそれ以上に詳細な判示をする要を見ない。したがつて
原判決に所論の違法はない。
論旨は、これを採用し得ない。
同第四点について。
論旨はすべて、原判示及び原判決に引用せられる第一審判示と相容れない「被上
告人は、実質上所論土地の賃借権者ではない」との前提に立つて原審の判断を攻撃
するに外ならないものであつて、原判決に所論の違法はない。
論旨は、これを採用し得ない。
同第五点について。
論旨の採用し得ないことは、上告代理人山根静人の上告理由に対する説明により
領解すべきである。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、
主文のとおり判決する。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 石 坂 修 一
裁判官 島 保
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裁判官 河 村 又 介
裁判官 垂 水 克 己
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